Wifiの危険性と影響

とはいっても、そういった情報が持つ影響力というのは、たとえそれが広範囲に及んでいたとしても、それはネットワーク上の、また特定のコミュニティ上の影響で終わることも多いでしょう。人々の意識は、すぐに違う方向へ移行するからです。それらの情報によって自分や誰かが影響を受けたとしても、それがよほど強力な情報でない限り、長期間に亘ることは少ないでしょう。ただし、『私達が確実に失ってはいけない情報』、『伝播されてはいけない情報』があります。それは一体、何でしょうか。

それは、『個人情報』です。最初に考えた『猿』の行為が、もし自分や他の存在を脅かすものであったなら、どうでしょうか。それが爆発的に広まってしまうことによって、自分の命を脅かしてしまうことにならないでしょうか。では、もし私達の持っている『重要な個人情報』…例えば、『口座の暗証番号』、『クレジットカードの(暗証)番号』、またはそれらの『オンラインサービスに関するパスワード』、『顔写真(または他人の写真)』が、無作為に広まってしまうなら、『文字通り様々な危険を招く』ことにはならないでしょうか。そう考えると、セキュリティの甘い公衆(フリー)無線LAN(Wi-Fi)の使い方等に関して、充分注意しなければならない、ということを再認識します。

高まった価値は影響を及ぼす

0と1のデータが多くの人に甚大な影響を与えている、と言える一つの証拠があります。もちろんWi-Fiなどの技術進歩もそうですが、それらによって、いわゆる『人対人』のコミュニティが非常に発展しました。サーバーという『場』を通して多くの人がコミュニケーションを取り、その『場』から得られる情報を、信頼しきっているのです。
例えば、近年爆発的に発達した『SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)』があります。これは特定のコミュニティの中で、様々な話題に花を咲かせたり、自分たちが得た情報などを多くの人に広めたり、逆にそういった情報を収集したり、特定の出来事に対して反応を見せたり…そういった様々な用途で用いられるものです。

情報は生まれた時から、いくらかの価値を持っていますが、その価値が魅力的であればあるほど、複数の人の手によって広められていきます。そして一定の範囲を超えた時、それは一瞬にして爆発的に広がります。まさに、最初のページで既述した、『仮説』のようにです。私達はそれらをあたかも『自分が収集した情報』として扱い、それに少なからず『影響を受けます』。それによって何らかの意思が決定されることすらあります。―『その情報の真偽に関わらず』、です。

データの価値は高まる

ある時代に至るまでは、いわゆる0と1のデータが持つ価値というのは、非常に小さいものでした。それは現代社会における有形の「なにか」に取って代わるものではなく、それはあくまで0と1のデータ、私達の生活にはあまり影響を及ぼさないものでした。しかし、現代はどうでしょうか。

私達は知らないうちに、様々な情報に踊らされ、情報に酔い、情報を受け入れ、情報を求めているのではないでしょうか。誰が発信したかも定かではない1と0のデータが、甚大な影響を人々に与えている、と言えます。それは良い影響もあれば、悪い影響もあるのです。それを間違いなく加速させているのは、ネットワークインフラの発達にほかなりません。時代が進むに連れ、物理的なネットワークの速度も、其の1速度で遅れる情報量も、非常に多くなりました。そして、それを私達が受け取るスピードと、発信するスピード、それも、時代が進むにつれて非常に速くなりました。

その陰には、『Wi-Fi』という規格が発展した、という点があります。特定の団体によって命名された『Wi-Fi』という規格は、年数を少しさかのぼるだけで誰かが名前を聞いたことがある、という程度のものでした。しかし現代は、それを聞いたことが無い、という人の方が少ないと言えるのです。

ネットワークの発達とWi-Fi

皆さんは、『百匹目の猿』という話を知っていますか?これは、とある島において、猿が同時に行っていた行為が、とある値(猿の数)を超えた時に、それが一瞬のうちにその島全体の猿が同様の行為を行うようになった、という話です。
まるで、100匹目まで行っていた、『イモを洗う』という行為が、どこかの集中的なネットワークサーバーのような場所に保管され、遠く離れた猿たちが、そのネットワークサーバーのような場所に保存された情報を一斉に読み取ったのではないか、と言い換えられる、一つの説があります。これは、一般的に『形態形成場(シェルドレイク)仮説』と呼ばれるものであり、一つのエネルギーが時間軸すらも超えて他のものにも影響を及ぼす可能性がある、という一つの仮説です。もちろん、今回はこの哲学についての真偽を考えるのでもありませんし、その仮説が正しいか誤っているかを議論することもしません。その仮説と、現代における『ネットワーク』には、共通点があると言えます。

この理論であれば、形成場という共通の場所からデータが伝播する、と言えますが、現代において私達が活用しているインターネット、というネットワークも、『情報』というデータが、共通の場所に保存され、その情報の価値が高まってある一定の価値を超えたとき、それは爆発的に、しかも世界的に広まり、私達は少なからずそれから影響を受けます。そして、それは私達が認識できない速度で、広まっているのです。モバイル通信やWi-Fiが普及したことによって、それはさらに加速しています。